資産管理ツールの弱点

いわゆる資産管理ツールとして有名なのはLanScopeCatや、SkySeaといったシステムです。

これらのツールを使うことで、パソコンやプリンターやネットワークに接続しているデバイスの棚卸をすぐに行うことができるのです。また、バージョンが古くてリスクはないか、といったバージョン管理も容易にできます。とても便利なツールですが、実は、弱点もあります。

とても苦い経験ですが、こうしたツールを入れていることで、これまでのExcel管理から一括して資産リストで出すことができる、ということでとても便利になると思っていました。

しかし、実際にパソコンの棚卸に立ち会うと、ネットワークに長期間接続していないパソコンや、iPadといったものが倉庫やサーバールームに埃をかぶって山積みされていたことがありました。長期間ネットワークに接続しないと、こうした資産管理ツールでは検知することができないのです。

しかも悪いことに、まだ、リース料を払っているパソコンや、LTE回線契約をしているiPadなどが混ざっていたのです。つまり、使っていないのに費用を払っていたのです。稼働していないパソコンやiPadが数台程度であれば予備としてカウントできますが、50台とかになってしまうと開いた口が塞がなくなってしまいます。

ネットワーク担当者は、現場のネットワーク設定や、毎日あるユーザからのトラブルシューティング対応や、新しい社員に用意するパソコンの購入やネットワーク設定準備、アカウント管理で忙しく、不稼動のパソコンやタブレットに気を配る余裕がありません。

だいたいの場合、パソコン等は一斉に入れ替えをします。その時は、30台とか50台といったまとまった数が現場から次々に引き上げられるてきます。そして、それらを廃棄あるいはレンタル元へ返却する手続きをしなければいけないのですが、それもそのままになってしまいます。

エクセル管理を止めて資産管理ツールを導入しよう、といった動きは盛んですが、そもそもネットワークに接続していないような、こうしたデバイスについては管理ができないのです。ですから、Excel管理が止められない理由の1つになっています。

管理する端末数がある程度まとまっていれば、エクセル管理も含めたパソコンの手配や棚卸の管理をしてくれる外部ベンダーもあります。この場合、新たにパソコンを手配するための新人の情報は、すぐに外部ベンダーにも伝わり新しいパソコンを新人のためにキッティングして手配してくれます。

注意するのは、パソコンの移動や 社員の退職の情報です。これらは社内の情報になりますし、物理的にパソコンの購入が伴わないし、人事異動した社員は、ネットワークには接続することができます。退職した社員については、そのパソコンを誰も使用せず、倉庫へ保管となれば、ユーザー自体がいないので何ら表面的な問題は起こりません。ですから、異動報告書のフォーマットを作って、社員の人事異動や退職については、外部のベンダーと毎月共有する仕組みを作っておくとよいです。

自社の倉庫や、サーバールームなどをぜひ点検してみてください。未使用で長期間使用されていないパソコン等が眠ってないか確認をしてみると、結構あったりするものです。

 

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