プロジェクトの進捗状況は、定期的にステークホルダーに報告しなければいけません。プロジェクトは目に見えないものなので、会社の重役やステークホルダーの方々は、どのように進捗しているか、いつも気になっています。まず、プロジェクトの企画段階で、どういった報告書を出すのかという「コミニケーションプラン」を作成し、その期日通りにレポートを必ず出していくことです。
「コミュニケーションプラン」と言うものは、プロジェクトミーティング、ステアリングコミッティ、プロジェクトレポートといったものを、いつ、誰が、誰と、何を、なぜ、やるかと言うことをあらかじめカレンダーとしてまとめたもので、プロジェクトキックオフの時にステークホルダーやキーユーザーらと共有するものです。
プロジェクトでの報告書には、2種類あると思います。1つ目は、計画通りに上手く進んでいるということを伝える「安心型プロジェクト進捗報告」です。例えば、毎週月曜日に、ステークホルダーや関係者に報告するとします。読み手は、定期的に届く報告書に安心感を抱きます。しかし、毎週、同じように、計画通りに進んでいるプロジェクト報告がくると、そのうち、あまり読まれなくなってしまいます。
これこそが戦略なのです。きちんと、定期的に報告することによって、ステークホルダーや会社の関係者から、色々と注文を言われることが少なくなって、すっかり安心してもらうのです。それによって、プロジェクトチームは、 周りから余計なことを言われずに、サクサク進めることができます。ポイントは、問題がなくとも、毎週送ると決めたら、必ず、その日に送ることです。安心感を関係者に植えつけて、プロジェクト運営の主導権をこちらが握るのです。
もう一つは、「責任分散型プロジェクト進捗報告」です。 何らかのリスクがあって「ひょっとしたら、上手くいかないかもしれない」と思うことが少しでもあれば、そうしたリスクを、早めにステークホルダーや関係者に知らせるものです。そうすることで、実際にそのリスクが発生したときには、「すでに報告されているので、責任は、報告書を読んだみんなにある」と言えます。
ポイントは、プロジェクトリーダーの責任逃れではなく、事が起こる前に、リスクを周知させておくことで、それを受けた関係者から出される対策案を検討することができ、また、それが実際に起こってしまったときのサプライズを小さくするということです。
逆に、何らかのトラブルが起こってから、はじめてステークホルダーや重役が知るとなると、プロジェクトマネージャー1人が批判の対象となるばかりでなく、事前に対策案を検討する機会そのものを逃してしまったことになります。 こうしたことを避けるために、小さなリスクでも、うまくいきそうもないと思った場合は、早めに、ステークホルダーに対してレポートすることです。