プロジェクトのリーダーはどの役職が良い

  プロジェクトにはリーダーが必ずいます。リーダーは、プロジェクトオーナーからプロジェクトを発注され、プロジェクトを運営していく責任があります。プロジェクトオーナーとは、いわゆるステークホルダーの代表のようなもので、だいたいの場合、役員や社長がプロジェクトオーナーになります。プロジェクトリーダーとなるべき人は、もちろん、経営陣の信頼が厚い人が良いのですが、プロジェクトメンバーの構成にもよります。

 例えば、複数の部門にわたる大掛かりな、全社的なプロジェクトにおいて、同じ役職階層の何人かがプロジェクトメンバーとして構成されると、メンバー間の意見の調整が非常に難しくなることがあります。

 同じ役職なので、意見がぶつかった場合、それを仲裁して、決定できる人がいないからです。プロジェクトの大まかな方向性は、ステアリングコミッティや、それに類する会議で決められますが、日常的に発生する細々とした問題に対しては、その都度の判断や調整が必要となってきます。

 私は、ある程度の決裁権限の持った人をプロジェクトのリーダーとすることを勧めています。また、経営陣のキーパーソンとも太いパイプがあり、何か困ったら、すぐに相談できて、プロジェクトの裏側で利害関係者と調整し物事を決定できれば理想的です。

  これまでの経験の中では、経営会議で、社長からマネージャー数名に「君たちでプロジェクトやってちょうだい、リーダーは君ね」と丸投げするという苦々しいパターンもありました。それぞれのマネージャーは、自部門の利益を最優先にしてしまいがちです。リーダーに指名されたマネージャーは、同じ階層であるメンバーの利害を調整する必要がありますが、それをまとめる事は非常に困難です。

 できれば、プロジェクトリーダーは、1つ上の役職階層の人が担ったほうが良いでしょう。あるいは、どうしてもそういった人がいない場合は、プロジェクト事務局に力を持たせることです。事務局に、経営陣と深いパイプのある部門の人を配置して、取り次ぎ役をお願いします。プロジェクトメンバー間でなかなか物事が決まらずにもめた場合、事務局が社長や役員と相談して、その意向をプロジェクトに持ち帰ってもらうのです。意見や利害が衝突したとしても、メンバーは、会社の方向性には従うものです。

 

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