塾講師で、コンサルタントとしても活躍されている木下晴弘先生のセミナーへ参加させていただいた時に聞いた話です。学校のクラスで、仲の良い子たちのグループと、あまり仲良しではない子たちのグループに、同じグループワークの作業をさせると、必ず、仲の良いグループは、出来栄えも良く、時間内に作業もきちんと終えるらしいのです。これは、仲の良い子たちのグループは、グループ内のコミュニケーションもよく、お互いに助け合って、作業を進めるからだそうです。
プロジェクトでも同じではないでしょうか。プロジェクトリーダーは、 チーム内の雰囲気を、常によく保ち、良いムードにしておくことです。そのためには、会議の進行や仕事以外で、1つの作業が終わったときに、食事会や、飲み会を開催するなど、そうした工夫が必要です。
会議では、進捗状況や、問題点、 今後のスケジュールなどについての確認をしたり、その他の情報を出し合って共有をします。プロジェクトリーダーは、必ず、会議の中で、 雰囲気を柔らかくするような、笑いを誘うような発言をして、メンバーをリラックスさせることが重要です。下手なジョークでもいいのです。また、チョコレートやキャンディー、お菓子や飲み物を出すのも1つの方法です。 話題が仕事以外の方向へ向くことによって、緊張感がほぐれ、リラックスできて話をしやすい雰囲気になります。
メンバーはリーダーのこうした努力を理解します。それにより、いっそう、メンバー間の絆が強まるのです。また、こうした積み重ねによって、メンバー間のコミニケーションが活発になることで、小さな事でも、気軽に話をすることができるようになります。また、仕事以外の食事会や、ランチ会、そういったものはお互いを知る良いチャンスともなります。
欧米と比較した場合、日本人チームは、メンバー間の仕事の境界線が必ずしも明確でないため、他人の仕事であっても、意欲的にサポートをするところに最大の強みがあります。誰かが困っていると、必ず誰かが助けてくれます。
そうした助け合いの気持ちを、より一層強くするために、こうした雰囲気作りや努力は不可欠です。そうすることで、プロジェクトは必ず成功します。これまで、プロジェクトチームの雰囲気がとても良い場合、私は、プロジェクトを失敗した記憶がありません。必ず成功して、みんなで達成感を味わうことができました。それぞれが積極的に課題に取り組み、情報を共有しあって、プロジェクトは、計画通りに進むのです。